プログラム概要
本プログラムでは、専門研修基幹施設である藤田医科大学病院と、地域の中核病院群(Aグループ:藤田医科大学坂文種報德會病院、名古屋第二赤十字病院)および地域医療を担う病院群(Bグループ:名城病院、豊川市民病院、朝日大学歯学部附属村上記念病院、可児とうのう病院)、計7の研修施設(年間手術合計9444件:内眼手術7718件、外眼手術280件、レーザー手術1446件)において、それぞれの特徴を活かした眼科研修を行い、日本眼科学会が定めた研修到達目標や症例経験基準に掲げられた疾患や手術を経験します。
4年間の研修期間中、1年目か2年目のどちらかを専門研修基幹施設で研修します。1年目は藤田医科大学病院かAグループの病院群のいずれかで研修を行います。Aグループの病院群は症例数が豊富で、救急疾患も多く扱う病院群です。藤田医科大学病院では、希少疾患や難病を経験し、内眼手術の件数、指導医も多いのでこの期間に手術手技の基本を習得します。2年目以降はAグループ、Bグループ、場合によっては藤田医科大学病院で研修します。Aグループを選べば、やや高度な手術をより多く経験することが可能になります。Bグループを選べば、common diseaseをより多く経験することができます。藤田医科大学病院を選べば、眼科内のより専門領域に特化した研修が可能となります。藤田医科大学病院で勤務しながら、藤田医科大学の社会人大学院に進学し、診療・研修を行いながら研究を行うことも可能です。専攻医の希望になるべく沿ったプログラムを構築しますが、いずれのコースを選んでも最終的に研修到達目標に達することができるようにローテーションを調整します。また、専攻医間で格差がつかないような工夫もします。
基本的研修プラン
研修コース例
例1
1年目 藤田医科大学病院で研修
2年目 Aグループの病院での研修
3年目 Aグループの病院での研修
4年目 Aグループの病院での研修
5年目 Aグループの病院での勤務 専門医認定試験受験 ◎認定
例2
1年目 藤田医科大学病院で研修
2年目 Aグループの病院での研修
3年目 Bグループの病院での研修
4年目 Bグループの病院での研修
5年目 藤田医科大学病院での勤務 専門医認定試験受験 ◎認定
例3
1年目 Aグループの病院での研修
2年目 藤田医科大学病院で研修
3年目 藤田医科大学病院で研修 藤田医科大学大学院に進学
4年目 藤田医科大学病院で研修 藤田医科大学大学院
5年目 藤田医科大学大学院 専門医認定試験受験 ◎認定
研修の週間計画
専門研修基幹施設
藤田医科大学医学部附属病院
午前 午後
カンファレンス
病棟業務
病棟業務
病棟/外来/手術 病棟/外来/手術
病棟/外来/手術 病棟/外来/手術
病棟/外来/手術 病棟/外来/手術
病棟/外来/手術 病棟/外来/手術
病棟  

ローテートするグループにより手術日が異なります(週1~2日)。手術日でない日は病棟あるいは外来業務を担当します。

  • 医療安全、感染対策、医療倫理に関する講習会に規定数参加します。
  • 4月 オリエンテーション コンピュータ端末講習 保険医講習会
  • 夏期、冬期休暇あり
  • カンファレンスや勉強会、抄読会への積極的な参加を推奨します。
  • 医療安全、感染対策、医療倫理に関する講習会に規定数参加します。
  • 年に2回、学術集会と懇親会があり、知識を深めるとともに地域医療に貢献している近隣病院眼科医師との交流で見識を深める。
専門研修基幹施設
ここに代表例を示します。手術やカンファレンスの曜日等に若干の違いがあります。
午前 午後
外来 病棟 カンファレンス
外来 手術
外来 病棟
外来 手術
外来 病棟
到達目標
専攻医は藤田医科大学眼科研修プログラムによる専門研修により、専門知識、専門技能、学問的姿勢、医師としての倫理性、社会性を身につけることを目標とします。
1専門知識
医師としての基本姿勢・態度、眼科6領域、他科との連携に関する専門知識を習得します。眼科6領域には、1)角結膜、2)緑内障、3)白内障、4)網膜硝子体・ぶどう膜、5) 屈折矯正・弱視・斜視、6) 神経眼科・眼窩・眼付属器が含まれます。到達目標、年次ごとの目標は別に示します。
2専門技能
  • 診察:患者心理を理解しつつ問診を行い、所見を評価し、問題点を医学的見地から確実に把握できる技能を身につけます。
  • 検査:診断、治療に必要な検査を実施し、所見が評価できる技能を持ちます。
  • 診断:診察、検査を通じて、鑑別診断を念頭におきながら治療計画を立てる技能を持ちます。
  • 処置:眼科領域の基本的な処置を行える技能を持ちます。
  • 手術:外眼手術、白内障手術、斜視手術など、基本的な手術を術者として行える技能を持ちます。
  • 手術管理など:緑内障手術、網膜硝子体手術の助手を務め、術後管理を行い合併症に対処する技能を持ちます。
  • 疾患の治療・管理:視覚に障害がある人へ、ロービジョンケアを行う技能を持ちます。

※年次ごとの研修到達目標は次項に示します。

3学問的姿勢
  • 医学、医療の進歩に対応して、常に自己学習し、新しい知識の修得に努めます。
  • 将来の医療のために、基礎研究や臨床研究にも積極的に関わり、リサーチマインドを涵養します。
  • 常に自分自身の診療内容をチェックし、関連する基礎医学・臨床医学情報を探索し、Evidence-Based Medicine (EBM)を実践できるように努めます。
  • 学会・研究会などに積極的に参加し、研究発表を行い、論文を執筆します。
4医師としての倫理性、社会性
  • 患者への接し方に配慮し、患者や医療関係者とのコミュニケーション能力を磨きます。
  • 誠実に、自律的に医師としての責務を果たし、周囲から信頼されるように努めます。
  • 診療記録の適確な記載ができるようにします。
  • 医の倫理、医療安全等に配慮し、患者中心の医療を実践できるようにします。
  • 臨床から学ぶことを通して基礎医学・臨床医学の知識や技術を修得します。
  • チーム医療の一員としての実践と後進を指導する能力を修得します。
年次ごとの到達目標
専攻医の評価は、プログラム統括責任者、専門研修指導医、専攻医の3者で行います。専門研修指導医は3か月ごと、プログラム統括責任者は6か月ごとの評価を原則とします。
1専門研修1年目
眼科医としての基本的臨床能力および医療人としての基本的姿勢を身につけます。
医療面接・記録:病歴聴取、所見の観察、把握が正しく行え、診断名の想定、鑑別診断を述べることが出来るようにします。
【検査】
診断を確定させるための検査の意味を理解し、実際に検査を行うことが出来るようにします。
【治療】
局所治療、内服治療、局所麻酔の方法、基本的な手術治療を行うことが出来るようにします。 
2専門研修2年目
専門研修1年目の研修事項を確実に行えることを前提に、眼科の基本技能を身につけていきます。 
3専門研修3年目
より高度な技術を要する手術手技を習得する。学会発表、論文発表を行うための基本的知識を身につけます。後進の指導を行うための知識、技能を身につけます。
4専門研修4年目以降
3年目までの研修事項をより深く理解し自分自身が主体となって治療を進めていけるようにします。 後進の指導も行います。
page top
藤田医科大学 医学部 眼科学教室
〒470-1101 愛知県豊明市沓掛町田楽ケ窪1番地98
TEL 0562-93-2111